夫が自営業の場合、夫の収入は、基本的に、直近の確定申告書の「課税される所得金額」を基準とします。
しかし、自営業の場合は、経費等を自分自身で決定できることから、勤務先から収入を得ている給与所得者とは違い、裁量の範囲が大きくなります。
そうしたところ、同居中、夫は十分な生活費を出してくれていたのに、いざ別居し確定申告書の開示を求めると、所得があまりにも低額で、「いったい同居中の生活費はどのように捻出されていたのか」と疑問を有するケースがあります。
このような場合、確定申告書記載の低額な金額が、夫の収入の基準となってしまうのでしょうか。
裁判所は、確定申告書と同居中の生活費との間に相当な乖離があるケースでは、①生活実態から少なくとも支出してきた生活費を捻出するだけの収入があったものと推定したり(神戸家明石支審H19.11.2)、②同業種の賃金センサスを基準とするなどして(大阪高決H16.5.19)、収入を擬制して、婚姻費用・養育費を決定しています。
ですので、夫の確定申告上の所得があまりに少ない場合は、それを基準にするしかないとあきらめず、一度弁護士にご相談されることをおすすめします。