2023.10.15男性の離婚問題

離婚したら子どもに会えなくなってしまいますか?

男性が離婚をするとき、もっとも気になることの一つが、離婚すると子どもに会えなくなるのではないかということだと思います。

離婚が成立している、していないにかかわらず、父母が別居状態にある場合には、子どもと離れて暮らす親が、子どもと直接会ったり、手紙や電話、メール等を利用して連絡を取り合ったりして交流を図ることを、面会交流といいます。

離婚によって一方の親と離れることを経験した子どもにとって、面会交流は、どちらの親からも愛されているという安心感を得ることができ、父母の別居による喪失感や、これによる不安定な心理状態を回復させることができるなど、子の健全な成長にとって有用なものです。

しかし、このような面会交流の有用性を理解せずに、面会交流をかたくなに拒む同居親がいるのも事実です。そのような場合に、子どもに会えるようにするためには、面会交流調停を申し立てることが考えられます。

先ほど述べたとおり、面会交流は、子どもの利益のために行われるものです。そのため、面会交流調停では、子どもや双方の親についての事情、子どもの状況に関する事情、双方の親と子どもとの関係に関する事情、その他子どもをめぐる一切の事情を具体的かつ総合的に検討して、何が子どもの利益になるのかという観点から、面会交流を実施するべきか否か、どういう条件で実施するのが良いかを探っていくことになります。

それでもなお双方の親の意見が折り合わず、調停での解決が難しい場合には、調停は不成立となりますが、その後は審判手続に移行し、裁判所の判断を仰ぐことになります。

同居中は子どもとの関係が良好であっても、別居後、面会交流が実施できないまま時間が経過してしまうと、子どもが同居親の顔色をうかがって、本心では別居親と会いたいと思っていても面会交流を拒否するようになることがあります。また、面会交流が子どもの健全な成長によって有用なものであることからすると、なるべく早く別居親と交流する機会を設けることが望ましいでしょう。

離婚前・離婚後を問わず、離れて住む子どもとの面会交流についてお悩みの方は、お気軽にご相談ください。