2023.12.12男性の離婚問題

私が再婚したら養育費はどうなりますか?

離婚が珍しくなくなった昨今、前妻との間の子の養育費を支払っている方が再婚し、新たな家庭を築くことも増えています。
このような場合、前妻との間の子の養育費の支払いはどうなるのでしょうか?

結論からいうと、再婚したからといって養育費の支払義務がなくなるわけではありません。ただし、再婚によって扶養家族が増えることで、養育費の減額が認められることがあります。

まず、再婚相手に稼働能力がなく収入がない場合や、再婚相手の収入が少額である場合には、再婚相手を扶養しなければならない立場にありますので、養育費の減額が認められる傾向にあります。この場合の養育費の算定の方法は、収入が全くない場合と、一定程度の収入がある場合で異なります。

また、再婚相手の子どもと養子縁組をしたり、再婚相手との間に実子が生まれたときには、養子や実子を扶養しなければならないため、この場合も、養育費の減額が認められる可能性が高いです。

もっとも、以上で述べたことは、あくまで養育費の合意の時点で再婚や養子縁組、子の出生が予測不可能であった場合です。
一度取り決めた養育費の減額が認められるためには、①合意の前提となっていた客観的事情に変更が生じたこと、②その事情変更を当事者が予見できなかったこと、③事情変更が当事者の責めに帰すべからざる事由によって生じたこと、④合意どおりの履行を強制することが著しく公平に反すること、異常の4つの要件をみたす必要があります。そのため、合意の時点で実は既に交際相手がおり、合意後すぐにその交際相手と再婚しその子どもと養子縁組したというような場合には、再婚や養子縁組は予測の範囲内ですから、養育費の減額が認められない可能性が高いです。