2024.10.05女性の離婚問題

退職間近、夫が退職金で事業をしたいと言い出した。

婚姻後、マイホームを購入、子どもたちも大学を卒業しようやく社会人になって、夫の退職ももうすぐ・・・.

やっと老後のことが考えられる、というときに、夫が、退職金で喫茶店を開きたい、会社の同期と事業をしたい等と言い出すことがあります。

長く会社員勤めをし、定年退職を迎えた夫が、自分の長年の夢をかなえたいという希望を持つこと自体は、非常に理解できるところです。

また、夫婦が仲良く、老後の蓄えも十分にあれば、夫の新たなチャレンジを応援できることかと思います。

しかし、長く仮面夫婦状態で、子どもたちが巣立ったのちは離婚したいという思いを内心抱えている場合は、退職金がすべて夫の事業に費やされるのは、到底同意できないでしょう。

ここで、退職金も、給付後はもちろん、すでに会社から給付されることが目前となり、現実化しているときは、財産分与の対象となります。

具体的には、退職金のうち、婚姻してから別居するまでの期間の2分の1部分について、妻が夫に請求する権利があります。

夫が実際退職したあとは夫に一括で請求することになりますが、まだ退職していないときは、「夫が退職したときに一括で」または「離婚時から退職まで分割で先払い、退職時に残額」などの合意をして支払いを確保することになります。

熟年離婚の場合、退職金だけでなく、すでにローンを支払い終わった自宅や、互いの保険、親から相続を受けた財産等、離婚に際し、財産分与が複雑になってきます。

老後資金2000万円問題と言われる中で、不利にならないためにも、ぜひ一度、弁護士にご相談ください。