離婚訴訟で父母ともに子どもの養育をし、親権を獲得したいと望んでいた事案で、家庭裁判所の調査官が子どもの意思(小学校高学年、中学生)を丁寧にヒアリングしたことにより、子ども自身が、親には言いにくい複雑な気持ちを抱いていることが分かりました。
結果、判決で、子どもの意思に沿った親権者の決定がされました。
なお、子どもの年齢が15歳以上の場合は、法律が、審判または訴訟時に、裁判所が子どもの意見聴取を行うことを必須としています(家事事件手続法169条2項、人事訴訟法32条4項)。
もっとも、15歳未満であっても、小学校中~高学年ころになれば、精神的に成長し、一定の将来的な見通しをもっていずれの親と暮らしたいかということについて考えられる年齢(※単に「怒らないから」「おもちゃをくれるから」などといういっときの感情で親を選ばない。)ですので、調査官調査を経たうえでの意思は最大限尊重されるべきです。
本事例はその意思に沿った判決がなされたため、子どもの将来にとって適切な解決が図られたといえます。