離婚の話が夫婦間で出ると、夫から「出て行け」と言われることがあると思います。
では、妻は本当に出て行かないといけないのでしょうか？
⑴ まず、夫と妻の共有名義であれば、自身の持分があるので出て行く必要はありません。
⑵ では、夫の単独名義の場合は、「夫の家」であるから、「出て行け」と言われたら出て行かないといけないのでしょうか？
２０２２年３月２日の「コラム」「夫名義の家に住み続けられますか？」（https://ricon-sakai.com/blog/2176/）でもお話していますが、もっとかみ砕いてお話しますと、結婚した後に取得した自宅は、夫婦の共有財産でもありますので、名義のいかんを問わず、つまり、夫の単独名義でも居住し続けることができます。
ですので、夫に「出て行け」と言われても、自分の名義ではないからという理由だけですぐに出て行く必要はありません。
⑶ もっとも、住宅ローンが残っている場合は、毎月銀行にローンの支払いをしなければ、銀行側から「出て行ってください」と明渡しを求められます。
この銀行との関係において、自宅が夫の単独名義、債務者も夫だけのときは、ローンを支払い続けなければならないのは夫になります。
しかし、夫が支払わないときは、妻が代わりにローンを支払うことで自宅を維持することも考えざるを得ないことになります。
子どものこと等を含め、自宅に住み続けたいという希望があるときは、夫とよく協議した上で、ローンの支払や婚姻費用・養育費なども総合的に決めていく必要があります。