親権・養育費等 子供に関わる問題について

離婚をする際、とりわけ未成年のお子さんが居る場合には、お子さんに関わる様々な取り決めをしておく必要があります。
 
ここでは大きく親権、養育費、面会交流に関してご説明をします。
 

子どもについて
決めておきたい3つのこと

 

①親権
②養育費
③面会交流

 

子どもについて
決めておきたい3つのこと

①親権
②養育費
③面会交流

親権

離婚をする際に未成年のお子さんがいる場合には、協議離婚・調停離婚・裁判離婚のいずれの場合でも、離婚時にお子さんの親権を行使する「親権者」を決める必要があります。
 
親権は、大きく身上監護権(日常的なお世話や教育をすることです。)と財産管理権にわけられます。
 
そして、婚姻期間中は、父母が共同で親権を行使しますが、離婚する場合、親権は、一方の当事者しか持つことができませんので、親権をどちらが持つかについて決めなければなりません。
 
協議や調停など、当事者間で話し合いができる場合には、話し合いにより親権者を決めることになりますが、どちらも親権を譲ることが出来ず、どうしても解決が困難な場合には、最終的に、離婚裁判の中で、裁判所が職権で一方当事者を親権者として定めることになります。
 
親権者の指定は、どちらの親を親権者とすることがお子さんの利益・福祉に適うかという観点から、従来の監護状況を含む父母側の事情とお子さん側の事情等を総合考慮して判断がなされます。
 
なお、双方が親権を譲ることができないという場合に、一方を親権者(この場合、親権者は、身上監護権を除いた権利を行使することになります。)、他方を監護権者とするという合意をすることもあります。
 
父母が今後も円滑な協力関係を維持することができる場合には、このような解決の仕方も考えられますが、親権と監護権を別々に持つ場合には、実際にお子さんを監護しているのは監護者であるけれど、何か法的な代理権を行使する場合には親権者が出ていく必要がありますので、父母お二人が協力できない場合には、ひいてはお子さんの利益を損ない兼ねない結果となりません。この点については十分慎重に考える必要があります。
 
これまで離婚後の親権についてお話ししてきましたが、婚姻期間中であっても、夫婦が別々に暮らす場合には、親権のうちお子さんの監護権をどちらが持つかということが問題になります。とりわけ、一方当事者がお子さんを連れて家を出た場合などに、お子さんと暮らすことができなくなった当事者がお子さんの監護権を主張するなどの形で争いが顕在化します。
 
お子さんの親権や監護権の判断に際しては、従来の監護状況が重要な要素の一つとなりますので、お子さんとの暮らしを取り戻したいという場合には、早期に法的手続きを行うことが大切です。
 
 

養育費

未成年のお子さんが生活するために必要な費用を養育費といい、親には、親権にかかわらず、お子さんに対する扶養義務としての、養育費を分担する義務があります。
 
お子さんを監護している親は、お子さんを監護していない親に対し、養育費を請求することができます。
 
養育費に関しては、子どもの人数・年齢、双方の親の収入、お仕事が会社員か自営業かなどをもとに裁判所が作成した養育費算定表があり、広く用いられています。
 
もちろん当事者が納得される場合には、算定表の金額によらずに合意することも可能です。
 
離婚裁判の中で、養育費の支払いも求めている場合には、最終的に裁判所が養育費の金額を定めることになりますし、協議離婚などで、離婚時に養育費を定めていない場合には、後日、調停・審判で養育費の金額を定めることが可能です。
 
算定表に記載されていないケース(お子さんの数が4人以上であったり、義務者の給与所得が2000万円を超える場合など)や特別なご事情がある場合(私立学校や大学等に進学する場合、義務者が権利者宅の住宅ローンの支払いをしている場合など)には、算定表によるだけでは適切な養育費の算出ができませんので、個別具体的に計算することが必要となります。
 
養育費については、合意をしていたとしても、後日相手から支払われなくなるという問題が深刻です。
 
支払いがなされなくなった場合でも、判決、和解調書、調停調書、公正証書といった債務名義がある場合には、相手の財産を直ちに差し押さえるということが可能です。
 
相手の勤務先も分からない、相手方の預金等の財産も分からないといった場合には、養育費の回収は困難を伴いますが、その場合でも相手の財産を調べる「財産開示手続」という方法もありますので、養育費をあきらめないでいただきたいと思います。
 
 

面会交流

離婚後も元ご夫婦がお子さんにとってのお父さん、お母さんであるという関係には変わりがありません。お子さんのために、お子さんと親権(監護権)を持たない親(非監護親といいます。)の間には、面会交流の権利が認められており、お子さんと直接面会をしたり、それ以外の方法で関わりを持つことを意味します。
面会交流自体は、離婚する前の別居の段階でも、お子さんと非監護親の面会交流という形で問題となります。
 
お子さんが非監護親と面会交流することは、お子さんの権利でもありますので、夫婦間の対立とは別に、この点に配慮して、当事者間で、面会交流の在り方について決めることが理想的です。
 
とはいっても、お子さんとの面会交流に対する双方当事者の考え方が大きく異なる場合など、話し合いで面会交流について取り決めることが困難なことがあります。また、悲監護親のお子さんに対する虐待があるなど、お子さんとの面会交流を行うことが適切ではないケースもあります。
  
話し合いでも面会交流ができない場合には、面会交流を望む非監護親から面会交流の調停を申し立て、それでも話し合いがまとまらない場合には、審判という形で裁判所が面会交流を行うかどうか、その頻度をどうするかということなどを決めることになります。
 
面会交流の調停や審判がある場合でも、面会交流が約束通りに行われないなどの問題が生じることがあります。
 
その場合、裁判所が介入して行う対処方法として、「履行勧告」と「間接強制」があります。
 
履行勧告は、裁判所から相手方に対し、面会交流を行うよう履行を勧告する方法となります。比較的簡易に行うことができる手続ですが、ペナルティがありません。
 
間接強制は、相手方が面会交流を拒絶している場合に、裁判所が面会交流を実施しない場合には1回につき○万円を支払え、という命令を出す方法となります。間接強制を行うためには、あらかじめ面会交流につき詳細な取り決めをしておく必要があり、いつでもできるというものではありません。
 
また、面会交流については、無理矢理にお子さんを連れ出して面会を実施するという直接強制をすることはできないため、間接強制をされたとしても、監護親が絶対にお子さんを会わせたくないとしている場合には、悩ましい問題となります。

SolutionCASE

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