2026.09.29男性の離婚問題

定年退職後、自宅にいると妻に煙たがられる。外で過ごそうにもお金もかかるし雨が降ったら公園にも行けない。家にいるのが辛いのですが離婚することは可能ですか。

定年退職してようやくのんびりした生活を送ることができると思っていたものの、妻とは長年の婚姻生活の中ですれ違いが続き、会話もなくなり、どうも家での居心地が悪い。
妻も同じ気持ちのようで、日中はどこかへ行くように促してくるものの、自分もそこまでお金に余裕があるわけでないので困っている。
お互いに一緒にいることが苦痛なのであれば、いっそ離婚したい。

このような状況にあると、妻とスムーズに離婚できると思われるかもしれませんが、残念ながら必ずしもそうではありません。
離婚をするためには、①双方が離婚に同意をしているか、②法律で定める離婚原因があること、が必要です。
しかし、価値観の不一致というだけでは、法律で定める離婚原因、より具体的には「婚姻を継続し難い重大な事由」があるとは言い難いので、もし妻が離婚に同意しなかった場合には、そう簡単に離婚することはできません。

このようにお伝えすると、「でも妻も私と一緒にいたがらないのだから、私が離婚を切り出せば喜んで応じるはず。」と思われるかもしれません。
しかし、もしこれまで妻が専業主婦ないし扶養内でのパートであるなどの事情により、年金が少なく、また十分な財産形成もできていない場合には、離婚すれば生活が立ち行かなくなるおそれがあります。
そうすると、生活の安定を優先し、離婚は拒否するのも理解できるところです。

ですから、もし妻から離婚を拒否されてもやはり離婚したいということであれば、財産分与と年金分割を行うことはもちろん、場合によっては、一定程度の期間、生活保障的に金銭を支払うこと(扶養的財産分与)も検討する必要があるかと存じます。

また、前述のとおり、価値観の不一致だけでは「婚姻を継続し難い重大な事由」があるとは言い難いものの、それが原因で別居に至り、以降、関係が修復されないまま長期間が経過すれば、その時点では「婚姻を継続し難い重大な事由」があると認められる可能性が高まります。
別居には多少の経済的負担は伴いますが、お互いにギクシャクした状態で同居を続け、ストレスが溜まり続けるよりは良いのではないでしょうか。

ただし、別居をしたからといっても婚姻関係は続いている以上、扶助協力義務はあるため、婚姻費用の支払義務はあるので、注意が必要です。