2026.09.29男性の離婚問題

仕事(会社)でメンタルをやられて嫁から離婚を突きつけられたけど、離婚の理由になるのでしょうか。

職場での過労、ハラスメント、ノルマやプレッシャーなどによって、うつ病や適応障害などでメンタル不調に陥った際、妻から離婚を切り出されるケースも少なくありません。

「妻に従うしかないのか。」「自分が病気になったことが、離婚の理由になってしまうのか。」と強い不安を感じる方も多いでしょう。

結論から言うと、仕事が原因でメンタル不調に陥ったこと自体は、原則として離婚理由にはなりません。

ここで、民法770条1項4号で、法定の離婚事由として、「強度の精神病にかかり、回復の見込みがないこと」(4号)が規定されていることとの関係が問題となります。

この規定が適用されるのは、統合失調症や重度の精神疾患など、長期間にわたり回復の可能性が極めて低いと医師に診断され、夫婦としての精神的交流が完全に失われているような例外的なケースに限られます。

仕事上のストレスや過労による、一時的な「うつ病」「適応障害」であれば、治療によって回復が見込める疾患であるため、この規定には該当しません。

また、民法770条1項5号で、「婚姻を継続し難い重大な事由」(5号)と規定されていることとの関係で、この規定に該当するかですが、単に病気であることだけでは該当しません。

但し、①メンタル不調に起因して、妻に対し、激しい暴言を吐いたり、②治療を一切拒否し、改善の努力を放棄していたり、③長期間の家庭内別居状態が続き、すでに夫婦関係が完全に破綻している場合は、これに該当しますので、注意してください。

また、別居の期間が長くなれば、メンタル不調にかかわらず、同規定に該当し、離婚が認められやすくなります。

メンタルが弱っている時期は、「自分が悪いから。」「これ以上話し合う気力がないから。」と自暴自棄になり、相手の言う通りの条件(不利な財産分与や一方的な慰謝料請求など)で離婚届にサインしてしまいがちです。

一度合意すると撤回が非常に難しくなるため、重要な決定は体調が回復されてからをお勧めします。